病気についてもっと知りたい ひざの症状と進行度


変形性関節症は老化が主な要因だけに加齢とともにだれにでも起こりえます。
ただし、次のような人にはとくに起こりやすいので、注意しましょう。

肥満気味の人

肥満になるとひざにかかる負担も大きくなります。

運動不足の人

肩やひじ、ひざなどの関節が固くなり、筋肉も衰えて関節への負担が増えます。

O(オー)脚気味の人

ひざが外側に曲がっていると、内側の軟骨がすり減りやすくなります(靴底の外側が減る人は、O脚の傾向があります)。

変形性関節症の予防のポイント

  • 関節に負担をかけない生活をする
  • 運動で関節を柔軟にし、さらに周辺の筋肉を強化する

関節に負担をかけない生活とは

  • 肥満気味の人は体重を減らす
  • 肩や腰、ひじ、ひざなどを冷やさない
  • 同じ姿勢を続けない(ときどきからだを動かし、リラックスさせる)
  • 外出時にはクッション性のよい靴をはく
  • 正しい歩き方(ひざを伸ばしかかとから着地し、つま先で後ろへ蹴る)をする
  • O脚の人は、靴のインソールなどで補正する 足元に不安がある場合は、ステッキを使う

こんなトレーニングで予防を

ストレッチ運動をする

  1. 首を前後左右に曲げ、首筋を伸ばす、
  2. 両手を前に伸ばして組み、腕全体を伸ばしながら上方向や左右に交互に引っ張る、
  3. 足を前後に開き、前傾姿勢で後ろ足のひざ裏や腱を伸ばすなど。いずれも無理をせずに、ゆっくりと行います。

屈伸運動は、ひざを深く曲げると負担が大きいので浅めの屈伸を繰り返し行うほうが安全かつ効果的です。
ひざを軽く曲げた姿勢でゆっくり歩く (モンキーウォーク)これもひざの筋力を高めるのに役立ちますが、長くやるとかなり大きな負担となるので、少しずつ続けるようにしましょう。
これらの運動は、関節にはっきりした痛みがある場合や、関節が腫れて熱をもっている場合は、いきなりやってはいけません。まず 病院を受診し、医師や専門家の指導を受けてください。
 

関節リウマチの患者は、女性が7~8割を占めています。

理由については、女性ホルモンが関係していると考えられていますが、まだはっきりとは解明されていません。
また年齢面でも、比較的若いころから発症する人が多く、30~50代の働き盛りに多くみられます。症状には、次のような特徴があります。

  • 原因不明の微熱や倦怠感(だるさ)が続く
  • 初期には手や足の指にこわばりや腫れ、痛みを感じる人が多い
  • 体重が減少することもある
  • 進行すると貧血や腎臓障害などもみられる

これらのうち、朝起きたときなどに手足の指のこわばりや腫れなどから異常に気付く人が多いので、そうした症状にはとくに注意が必要です。鎮痛薬や湿布薬などで一時しのぎをしていると、 関節の破壊が進み、悪化しかねません。変形性関節症などと区別し、適切な治療を受けるためにも、早めに関節リウマチの専門医を受診することが大切です。

治療面においては、症状を緩和する従来の薬(抗リウマチ薬)に加え、最近は関節の破壊を止め、炎症を抑える新しいタイプの薬も使用されるようになっています。また、関節リウマチにはリハビリテーションが欠かせませんが、自己流で無理をすることは禁物です。治療の一環としてリウマチの患者さん向けに工夫されたリハビリの方法がありますので、病院の医師にご相談ください。
 

従来の治療(保存療法、手術)

運動療法

関節可動域訓練や筋力強化訓練、器具を利用した運動によ る治療法です。理学療法士の指導の下で、個人の状態に合わせたリハビリテーションを行うことがおすすめです。正しいやり方を知っていれば家庭でできるものもあります。
その他の治療保存療法を次にご紹介しますがあくまでも運動療法を補うものと位置づけています。

薬物療法

消炎鎮痛薬(飲み薬、湿布・塗り薬、座薬)を用いる療法と、膝関節にヒアルロン酸を直接注射して、痛みや炎症を抑える治療法です。薬物療法には副作用のリスクが伴いますので、必ず病院の先生に相談してください。

内服・外用剤

薬物療法として最もよく使用されるのは、非ステロイド性の鎮痛消炎剤です。痛みを和らげるの に効果的ですが、胃腸・腎臓障害などの副作用を起こす可能性があります。
60歳以上、ほかの病気の治療中、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患ったことがある、ほかの病気の治療でステロイド剤や抗血小板剤を用いている方などには、非ステロイド性の鎮痛消炎剤の中でも比較的副作用の少ないCOX─2阻害剤や、アセトアミノフェンなどを使用します。
胃粘膜の保護剤を併用したり、飲み薬の代わりに非ステロイド性鎮痛消炎剤の外 用タイプ(パップ製剤や塗り薬など)を用いることも有効です。

関節内注射

関節内注射に用いられる薬剤に、ステロイドとヒアルロン酸があります。
ステロイドは痛みを短期間抑えるには非常に有効ですが、化膿性関節炎など重篤な合併症を起こす可能性があり、慎重に用いる必要があります。私は変形性膝関節症にはほとんど使っていません。
ヒアルロン酸は週1回関節内注射にて使用し、5回程度継続して効果を判定します。その上で必要と判断された場合には2~4週に1回の注射を続けます。

ただしどの程度の変形性膝関節症に対して使用すべきなのか、議論のあるところです。

装具療法

足の下に板を挟む外側楔状足底(挿)板などの装具療法は、以前は広くおこなわれていました。 一時的に痛みが和らぐ場合もありますが、長期間その効果を持続させることは難しく、推奨できません。
グルコサミン、コンドロイチンなどのサプリメントに変形性関節症による痛みや軟骨の摩耗を抑える効果があるという話もよく耳にしますが、十分な科学的検証に基づいたものとは言えません。

研究者の間でも軟骨保護作用を持った根本的治療法であるとする論文がある一方、多施設が参加した二重盲検試験(注)では痛みを和らげる効果は認められなかったとの報告があり、膝関節の機能やQOLへの影響も今のところ一定した見解は得られていません。
(注)医師・患者双方から使用する薬・サプリメントが何かわからないようにした試験

温熱療法

慢性的なひざの痛みや炎症に有効とされる治療法で、ひざを温めることによって血行を促し、痛みを軽減します。温めることで、筋肉や関節が動かしやすくなります。
手術治療保存療法の効果がない・期待できない場合は、手術治療を選ぶことが可能です。主に関節鏡視下の半月手術等、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術があります。
手術法は、年齢と病気の進行度により決定します。

手術治療

保存療法の効果がない・期待できない場合は、手術治療を選ぶことが可能です。主に関節鏡視下の半月手術等、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術があります。手術法は、年齢と病気の進行度により決定します。
■関節鏡視下の半月手術等
半月板の損傷や関節内遊離体(軟骨や骨の破片が関節内を動き回る)などによる症状がある場合に、関節鏡視下で半月板を部分的に切除したり、遊離体を摘出する場合があります。
■高位脛骨骨切り術
O脚がひどく、変形が一部に限られている場合におこなうことがあります。
■人工膝関節置換術
現時点で変形性膝関節症に対する手術治療の主体になっている方法で、関節の機能を改善させることが可能です。最近では、10cm程度以下の小さな切開で筋肉にあたえるダメージを最小限におさえた最小侵襲人工関節手術(MIS)の技術を取り入れた、人工膝関節置換術がおこなわれています。

関節の痛みを再生医療で治すには
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