幹細胞には、色々な細胞に分化(変化)する能力があります。例えば、心臓、肝臓などの臓器や皮膚などの組織、関節や骨や軟骨や筋肉にもなり得るのです。
もともとカラダには、損傷したり弱ってきた部分を修復しようとする働きが備わっています。
幹細胞を利用した再生医療は、この修復しようとする幹細胞の働きを何十、何百万倍にも増幅させて、ダメージを受けた血管や機能不全になった臓器に集中的に働きかけ、機能回復をすることで、本来カラダがもっている正常の機能に再び戻すこと(再生)を目的とした医療です。
つまり、運動や食事、静養などでは叶わなかったカラダの機能回復を自分の”細胞”の力で行う、それが自己脂肪由来幹細胞治療です。自己脂肪由来幹細胞治療は、この幹細胞を生体外で培養し一定の量まで増やしてから患者本人のカラダに戻す方法です。
国内外の数々の医療研究機関によって効果やメカニズムが研究されています。また、自分自身の幹細胞なので安全性も高くアレルギーや拒絶反応といった副作用がほとんどありません。
今、最も注目されている最先端医療技術です。幹細胞は、骨髄やさい帯血、内臓臓器や脂肪などの中にいますが、一般的には身体への負担が少ないお腹の脂肪が採取されています。
幹細胞治療の種類
静脈注射(点滴)
対応疾患
糖尿病
幹細胞を用いた治療は皮膚や関節内への注射だけではなく、点滴としての静脈内注射を行っております。幹細胞の点滴治療は高い技術と経験が必要とされ、受けられる医療機関が全国でも圧倒的に少ないのが実情です。
点滴することで、血管に入った幹細胞は全身に行き渡り、損傷している臓器や組織の機能回復や修復を促します。
実際、国内外の医療研究機関では糖尿病以外にも脳伷塞、肝疾患、自己免疫疾患、虚血性心疾患、肺疾患などにも治療効果があるとの報告がされており、糖尿病疾患に対して静脈注射での治療を行うことができます。
糖尿病の再生医療では、すい臓機能の修復と回復によって、糖尿病の根本的な改善を目的とした治療を行います。
このような方にオススメ
- インスリンの自己注射をしている
- 血糖値を下げる内服治療をしている
- 糖尿病予備軍または糖尿病初期で食事管理や運動療法をしている
関節注射
対応疾患
膝 | 肩 | 股関節 など
従来の治療では、ひざ・肩・股関節などの痛みの緩和のために、薬を飲んだり、ヒアルロン酸やステロイドの注射をする方法しかなく、それでも病状の進行が止まらないとにきは、からだの負担の大きい人工関節の手術や関節鏡の手術などを選択せざるを得なくなります。
つまり、「痛みを緩和するか、大きな手術をするか」という二者択一を迫られるという状況です。そのため、手術を受けたくない方や手術を受けることができない方は、痛みを我慢して生活するしか方法がありませんでした。
それに対して関節の再生医療では、すり減った軟骨や組織の修復を促すことで痛みを改善するといった治療が可能なのです。
再生医療は、このような方にオススメ
- 人工関節や関節鏡などの手術を勧められたが抵抗がある
- 入院するための休みが取れない
- 今の治療に成果が感じられない
スポーツ外傷・障害
対応疾患
半月板損傷 | 肩腱板損傷 | 膝靭帯損傷 | 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) | 肘内側(ゴルフ肘)上顆炎 | オスグッドシュラッター病 | 肘外側(テニス肘)上顆炎 | 肉離れ(筋断裂) | 手首の靭帯損傷 | アキレス腱炎 | TFCC損傷 | 足首靭帯損傷 | 足底腱膜炎 | 腱鞘炎
スポーツ選手やアスリートはケガを負うことで、治療やリハビリに時間を費やし、復帰までに大きなロスが生じます。また手術までになると復帰までの時間が更に長くなり、引退の原因となることが実際に多く見られます。
これに対して再生医療は、関節、靭帯、筋肉、骨といった組織の修復に効果的なPRP療法や、自己脂肪由来幹細胞治療を行うことによって、回復を早めて早期のスポーツ復帰を目指すことを可能にしました。
このような方にオススメ
- 慢性化してしまった症状を完治させたい方
- 薬剤アレルギーが心配で治療ができていない方
- 定期的にステロイド治療を続けている方
- スポーツしていて早期治療を希望する方
自己脂肪由来幹細胞治療の流れ
1. 下腹部周辺を5ミリ程切開し
米つぶ2粒程度の脂肪を採取
2. CPC(培養施設)で培養・増殖
※約4~6週間
3. 患部へ注射
点滴
※治療を受ける前に感染症などに罹患しているかを確認しなければいけません。そのため、事前に指定する項目の血液検査を受診していただきます。