よくあるご質問

Q

再生医療とは、どんな治療ですか?

A

「再生医療」とは、ケガや病気などによって失ってしまった生体組織や臓器の機能を、いわゆる“化合物”である薬でケガや病気を治療するのではなく、人のからだの「再生する力」を利用して、元どおりに戻すことを目指す医療のことです。

Q

再生医療は安全ですか? 効果はあるのですか?

A

再生医療の可能性は大変大きいものです。分野によってはまだ安全性・有効性を集め ている段階もあり標準的な治療法として承認されるまでに数年以上経過を追っていく必要がある分野もあります。ただし、すでに実用化され多くの事例で大変効果を上げているス ポーツ外傷のような分野もあります。

Q

再生医療に用いられる細胞には、どのようなものがありますか?

A

再生医療に用いられる細胞には、体を構成している体細胞(皮膚の細胞や筋肉の細胞など)のほか、体性幹細胞、ES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)があります。

Q

再生医療の分類、第一種・第二種・第三種とは、どのような違いがありますか?

A

再生医療等の安全上のリスクに応じて分類され、有効性に関する基準ではありません。再生医療等安全性確保法で、提供するための手続きが異なっています。

第一種: これまでヒトに実施されたことが極めて少ないため、既知・未知を含めてリスクが高く想定されるもの。(ES細胞・iPS細胞や、他人の幹細胞を利用するもの)

第二種: すでにヒトに実施されたことがあり、中程度のリスクを見込まれるもの(患者自身の体性幹細胞などを利用するもの)

第三種: もともと細胞が持っている機能を利用し、大きな操作を加えないため、大きなリスクは想定されないもの(加工を施した体性細胞を利用したものなど)

Q

現在、どのような第一種再生医療が提供されていますか?

A

2019年1月時点で、承認されている「再生医療等製品」は5種類で、重症な火傷やあざ、水疱症の治療に用いられる培養皮膚シート、外傷などで欠損した軟骨の修復に用いられる培養軟骨、虚血性心疾患による重症心不全に用いられる培養心筋シート、骨髄移植後の拒絶反応をおさえる薬(ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞 )、脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善薬(ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)です。

【iPS細胞を使った再生医療】

注:下記の臨床研究は、科学的な見地から研究に参加する患者の数や症状を厳密に制限しているため、希望しても参加できないことがあります。また、すでに参加者の募集を終了しているものも含みます。

<現在までに行われた研究>

<今後始まる予定の研究>

・受傷後1ヶ月以内の脊髄損傷: 他人のiPS細胞から作成した神経のもとになる細胞を、脊髄の受傷部分に移植する研究

・重症心不全: 他人のiPS細胞から作成した心筋細胞シートを心臓に移植する研究

・角膜上皮幹細胞疲弊症: 他人のiPS細胞から作った角膜の細胞を培養してシート状にし移植する研究

【ES細胞を使った再生医療】
<今後始まる予定の研究>

・高アンモニア血症を生じる先天性代謝異常症: 他人のES細胞からアンモニアを代謝する肝細胞を作製し病気の肝臓へ移植する研究

Q

血小板を使った治療とは、どんな治療ですか?

A

血液中の血小板には、傷んだ組織の修復を促進するさまざまな成長因子が含まれてい ます。この血小板を濃縮して患部に投与することで、自然治癒の促進を目指すものです。濃縮した血小板は作成方法などにより、様々な種類があります。

【例】PRP, Platelet richPlasma(PRP)、多血小板血漿、多血小板フィブリン、血小板含有フィブリンゲル、CGF、PRF、PRGF、AFG(AutologousFibrinogen Glue:自己フィブリン糊),自己末梢血由来成分,GRF(血小板濃縮フィブリン)/等

Q

脂肪細胞を使った治療について教えてください。

A

脂肪組織には、脂肪組織だけでなく骨や軟骨などに分化できる脂肪幹細胞が含まれており、乳がん手術後の乳房再建、腹圧性尿失禁や重症虚血肢など、様々な疾患への再生医療が研究されています。

【脂肪細胞の名称例】

脂肪組織由来幹細胞、脂肪由来幹細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞、脂肪組織由来再生(幹)細胞、培養脂肪組織由来幹細胞/等

Q

免疫療法とは、どんな治療ですか?

A

免疫療法とは、患者さん自身の免疫力を高めることで、病気の治療を目指すものです。くわしくは「国立がん研究センターがん情報サービス」を御覧ください。

【参考】「免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ」(国立がん研究センターがん情報サービス)

【治療法例】がん免疫療法、BAK療法、樹状細胞、LAK療法、NK(NKT)療法、CTL 療法、HITV療法、TIL療法、AKC療法、活性化自己リンパ球療法(CAT)、T細胞療法/ 等