どんな病気が考えられる?膝関節痛を引き起こす病気やケガ

代表的なものは、変形性関節症と関節リウマチ

ひざ関節痛の原因はさまざまな原因から起こります。その代表的なものが、変形性関節症と関節リウマチです。
また最近は、中高年からスポーツを始める人に、過度の運動による関節障害が増えています。
実はこの3つは、同じように関節痛を伴いますが、まったく違う病気でそれぞれ対処の仕方も異なります。
そういったことを知らないで、ただ湿布薬などで自己治療をしていると、一時的には痛みが軽くなっても、かえって症状を悪化させかねません。
ひざ関節にこわばりや腫れ、痛みを感じたら、その原因を知ったうえで、きちんとした予防や治療を行うことが大切です。

いちばん多いのは変形性関節症

ひざ関節痛の中でもいちばん多いのが関節の老化ともいえる変形性関節症です。
私たちの関節は、軟骨がクッションとなってスムーズに動くようにできています。その軟骨が加齢とともにもろくなり、欠けたりすり減ったりして、周囲に炎症を起こすのです。
変形性関節症の痛みは、初期には湿布薬などを貼ると治まってしまいます。ところが関節の軟骨は欠けたり、すり減ったりすると元に戻らないため、症状は少しずつ悪化していきます。
やがて立ったり座ったりの動作がしにくくなり、少し歩くと痛むような状態になります。そうするとだんだん歩かなくなるため筋肉がさらに衰え、症状も進むという悪循環におちいりやすいのです。
そのため関節に違和感をおぼえたら早めに予防をするか、痛みがある場合には受診することが大切です。

関節リウマチ

ひざ関節痛の2大原因のもうひとつが関節リウマチです。
同じように関節痛を伴いますが、大きな違いがあります。それは原因が、自己免疫疾患だという点です。
免疫は、体内への細菌などの侵入を防ぐ大切な機能ですが、過剰に働くと私たち自身のからだの一部を攻撃してしまうことがあります(免疫異常)。
免疫異常は、全身にさまざまな影響を及ぼしますが、そのうちの関節に起こる症状が関節リウマチです。
最新の研究では、関節部分に炎症が起こると、特殊な化学物質が放出され、それを目当てに集まってきたマクロファージなどの免疫細胞(※1)と化学物質との反応をきっかけに、次々と過剰な免疫反応が起こることがわかってきています(※2)。
進行すると関節の組織が破壊され、痛みや腫れがひどくなり、指が変形するなどして日常生活に支障をきたすこともあります。それだけに早期発見と専門医による治療がポイントとなります。

※1 免疫細胞の中心は白血球で、マクロファージやリンパ球、顆粒球などから構成されています。ウイルスや細菌などの異物をとらえるほか、がん細胞などとも闘うことが知られています。
※2 2005年7月、東京大学大学院医学系の松島綱治教授らのチームにより、炎症部分から放出される化学物質と免疫細胞の複雑な反応を促進するタンパク質「フロント」の発見が報告されています。

最近増えているのはスポーツ等による半月板損傷

また最近では、スポーツを始めた中高年の人に関節痛を起こす人が増えています。
ハードなスポーツでなくても、ウォーキング、ジョギング、ゴルフ、テニス、筋肉トレーニングなどを行うときにも注意が必要です。
中高年になると関節の軟骨がすり減り、軽度の変形性関節症を起こしていることが少なくありません。それを考えず、つい無理をしてしまうのが、最大の原因です。
スポーツをするとき、ひざには大きな力が加わります。歩くときには体重の2~3倍、走るときには5~10 倍もの負荷がかかります(速さや走り方、靴の種類などによっても差があります)。いきなり走ったり跳んだりすると、ひざに過度の負担がかかり、半月板(軟骨)が割れたり、じん帯の断裂を起こすことも少なくありません。

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

半月板とは、大腿骨と脛骨の間にあるクッションで、内側と外側に1つずつあります。
大腿骨と脛骨の表面には関節軟骨があり、それぞれの関節軟骨の間に半月板があります。この“軟骨̶半月板̶軟骨“の3つの構造がクッションの役割を果たし、膝が滑らかに動くようにしたり、歩行時に体重を受け荷重を分散させます。
半月板損傷は、スポーツや事故等で強い力が加わり損傷する場合と、加齢とともに変性して弱くなった半月板に弱い力が加わり損傷する場合があります。
スポーツや事故等の外傷では、膝関節の屈伸や回旋動作の時に、過剰な力がかかったり、異常な動きが加わった時に、半月板が損傷します。
加齢とともに発症する場合には、“つまずいたり”、“転んだり”と日常のちょっとした怪我でもよく起こります。
また、過去に前十字靭帯などを損傷し、完治しないままにスポーツを続けた場合、これに合併して2次的に損傷することもあります。

半月板損傷の原因

  • 外傷性
  • 加齢性
  • 先天性
  • その他

半月板損傷の症状

  • 痛み
  • 関節水種
  • 可動域制限
  • 嵌頓(かんとん)症状
  • 伸展制限
  • ロッキング
  • ひっかかり感
  • “何かがはさまった感じ” 等

半月板損傷の治療・保存療法

半月板の変性のみの場合、小さな損傷等では、保存療法が有効です。

  • 運動療法
  • 温熱療法
  • 鎮痛薬
  • 関節内注射 等

半月板損傷の治療:手術療法

強い痛み、ロッキング症状、保存療法で治らない場合等の時に手術療法を行います。
関節鏡視下手術は、侵襲が少なく術後成績が良好であり、積極的に検討して良い治療法です。

  • 半月板切除術
  • 半月版縫合術
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