糖尿病は生活習慣病の一つで、食生活や運動習慣などが影響するということは聞いたことがあると思います。それ以外にも、糖尿病の発症リスクにつながる原因がいくつかあります。ストレスも糖尿病の原因になると耳にしたことがあるかもしれませんが、本当なのでしょうか?また、どのような食事や食生活が糖尿病の原因になるのでしょうか?今回はそのような疑問にお答えします。
糖尿病の発症リスクにつながる原因とは
糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病の2つに分けられます。日本人の糖尿病者の約95%は2型糖尿病です。それぞれで原因が異なります。
1型糖尿病は10歳代の若い方に多いですが、生活習慣病ではなく、先天性の病気でもありません。主に過去のウイルス感染がきっかけとなり、自己免疫に変調をきたすことによって発症します。通常は外部のウイルスなどから自分の身体を守るために働くリンパ球が自分のすい臓を攻撃し、インスリンを作ることができなくなるために起きます。
2型糖尿病は40歳代以上の方に多いですが、若い方にも見られます。遺伝的要因が影響し、それに食べ過ぎによる肥満、食生活の乱れ、運動不足などの様々な原因が重なって発症します。その他にも、糖尿病ではない他の病気が原因で発症する場合、ステロイドなどの薬の副作用によって発症する場合、妊娠をきっかけに起こる場合もあります。
ストレスは糖尿病の原因になる?
日常的に強いストレスが感じている人は、ストレスを感じていない人に比べて糖尿病を発症するリスクがなんと45%も高くなるという研究報告があります。なぜストレスが糖尿病の原因になってしまうのでしょうか?
ストレスを感じる時には興奮時と同様に交感神経が活発となります。その結果、アドレナリン、グルカゴン、甲状腺ホルモンなどの分泌が促進され、血糖を上昇させます。また、強いストレスを感じる時にコルチゾールというホルモンが分泌され、これも血糖を上昇させます。強いストレスのみが糖尿病の原因になるわけではありませんが、糖尿病の発症リスクを高める一つの原因になります。
糖尿病の原因になる食事とは
ご飯やパン、麺類などの糖質が多く含まれる食品をたくさんとると、血糖が上昇しやすくなります。特にケーキやまんじゅうなどの甘い食品は急激な血糖上昇の原因になります。食事や間食で食べる時には、食べる量に注意が必要です。麺類やパン類などの主食のみしか食べない食事はよくありません。ビタミンやミネラルなども身体にとっては重要であり、偏った食事では不足します。なるべく多くの品数を食べることが推奨されています。
食塩の過剰な摂取は食欲を亢進させ、血圧の上昇による血管障害にもつながります。外食では一般に濃厚な味付けのものが多く、炭水化物や油脂の摂取量も多くなります。また、野菜が不足したり、偏食になりやすいので注意が必要です。冷凍食品などの加工された食品も同様に、食塩や油脂の量が多い傾向があるので、成分や内容の確認が必要です。
糖尿病の原因になる食生活とは
食事を欠食したり、時間が不規則になるのはよくありません。欠食すると、次の食事で血糖が上がりやすくなります。夕食を夜9時以降にとると、翌朝の高血糖につながります。また、3食以外にも間食をだらだらと食べ続けるのもよくありません。15時頃に食べた物は最も脂肪に変換されづらいと言われています。間食をとる際は、15時にとるのがお薦めです。食事や間食の時間は、できるだけ規則正しく時間を守りましょう。
食べる際のかむ回数も糖尿病に影響があるのでしょうか?よくかまずに早食いになるのはよくないと言われます。かむ回数が少ないと、満腹中枢が刺激されにくくなり、過剰な摂取から肥満になる傾向があります。肥満も糖尿病に原因の一つです。
清涼飲料水をよく飲む習慣のある方も糖尿病の発症リスクを高めます。果汁飲料は身体に良いから大丈夫と考えている方も多いかもしれません。しかし、果物をそのまま摂取する時と比較し、果汁飲料を飲んだ場合は急激な血糖上昇につながります。清涼飲料水も1日の摂取エネルギー量の中に含めて考え、過剰な摂取は控えましょう。
飲酒は糖尿病に影響するでしょうか?適度な飲酒は糖尿病の発症を抑えると言われています。また、合併症がなく血糖コントロールが良好な方の場合は、つまみに注意し、適量の飲酒であれば良いと言われています。しかし、多量の飲酒は肝臓やすい臓の障害を引き起こし、糖尿病の原因になります。多量の飲酒は避けなければいけません。
糖尿病と飲酒については次の記事で詳しく解説しています。
>>糖尿病とお酒の関係性!楽しく飲みたい人必見
まとめ
糖尿病は1型と2型があり、それぞれ発症の原因が異なります。日本人の糖尿病のほとんどが2型糖尿病で、遺伝的要因に加えて、食べ過ぎによる肥満、食生活の乱れ、運動不足、強いストレスなどの様々な原因が重なって発症します。食事や食生活も糖尿病の原因となる一方で、予防も可能です。今回の知識を参考に、食事や食生活も見直してみましょう。