糖尿病でインスリン注射をやめることはできるのか?

2021.08.18

カテゴリー: 糖尿病

糖尿病治療にはさまざまな方法がありますが、薬物療法の一種に「インスリン注射」があります。

「一生、治らない病気」と呼ばれる糖尿病の患者さんは、このインスリン注射をやめることはできないのでしょうか?

今回は、糖尿病のインスリン注射をやめる方法について解説します。

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糖尿病患者がインスリン注射をやめるには?

糖尿病でインスリン注射をやめることはできるのか?
糖尿病患者さんが必要とする治療法は、大きく分けて以下の3種類です。

・食事療法(食事制限により糖質やエネルギー摂取量をコントロールする)
・運動療法(運動により血糖の消費やインスリンの働きをコントロールする)
・薬物療法(薬物により血糖値の状態をコントロールする)

このうち「インスリン注射」は、「薬物療法」に属します。

一般的な糖尿病治療は、「食事療法」と「運動療法」をベースに、それでも血糖値をコントロールできない場合に薬物療法が併用されることが多いです。

つまり、薬物療法を併用していた患者さんでも、治療の結果により血糖値の状態が改善されれば薬物療法を中断し、食事療法と運動療法で血糖値をコントロールするスタイルに移行できる可能性があります。

糖尿病患者さんがインスリン注射をやめるためには、薬物療法に頼らなくても良いと診断されるレベルまで治療を進めなければなりません。 

誰もが薬物療法をやめることができるわけではない

糖尿病患者さんのすべてが薬物療法をやめることができるわけではありません。

例えば、糖尿病治療には「運動療法」が重要なポイントの1つとなりますが、年齢や身体機能の関係で治療に十分な運動をできない場合もあります。

また、合併症などの関係で糖尿病が重症化し、治療がなかなか奏功しないケースもあるでしょう。

このように、患者さんによっては食事療法と運動療法だけで十分に血糖値をコントロールできるレベルまで症状が改善しない場合もあり、その場合は飲み薬やインスリン注射を利用しなければならないのです。

インスリン注射をやめる治療法「再生医療」の可能性

糖尿病の治療法の1つとして、「再生医療」に注目が集まっています。

再生医療は、壊れた組織(細胞)を修復する機能を持った「幹細胞」の働きを利用し、体の自己再生機能を促進することでさまざまな病気・怪我の治療に役立つ可能性が注目されています。

糖尿病もその1つであり、糖尿病に深く関係する「すい臓」の機能を修復することでインスリンの働きを改善し、インスリン注射をやめるのに十分なレベルまで症状を改善できる可能性があるのです。

まとめ

再生医療の成果は個人差があるので一概には言えませんが、糖尿病の症状が改善することで治療方針を大幅に変化させられる可能性を秘めていることは間違いありません。

インスリン注射をやめるためには症状の改善が必要不可欠です。再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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