従来、糖尿病という病気は「治らない病気」「一生かけてつきあっていく病気」というレッテルの貼られた病気でした。
しかし、医療技術の進歩により、ついに糖尿病が治る時代を迎えるに至ったのです。
今回は、治る時代となった糖尿病の治療法について解説します。
今や糖尿病は治る時代になった
そもそも、糖尿病は「治らない病気」と言われていました。
糖尿病であると診断された患者さんは、「食事療法」「運動療法」といった生活スタイルに関係する治療法を中心に、必要に応じて「薬物療法」を組み合わせて血糖値をコントロールする生活を一生にわたって続ける必要があったのです。
これらの治療法は患者さんの血糖値をコントロールすることには寄与しますが、糖尿病の根本的な原因を治療するには至りませんでした。
しかし、新しい治療法である「再生医療」は、糖尿病を根本的に治療できる可能性を秘めた治療法として注目されているのです。
再生医療とは?
「再生医療」とは、「幹細胞」と呼ばれる細胞を利用した治療法です。
「幹細胞」とは、さまざまな細胞に変化することができる細胞であり、体の中の細胞の状態に応じて損傷・不足している細胞を補う働きをしています。
そして、再生医療は幹細胞のその働きに注目し、患者さん自身では修復することが難しい体の部位(内臓や皮膚、骨など)を再生することを目的とした治療法なのです。
再生医療は、これまで「治すことの難しい病気」を治療できる可能性や、「完治までに時間がかかる病気や怪我」を短期間で治せる可能性を秘めています。
こちらも併せてご参照ください
再生医療とは
糖尿病を再生医療で治療する
再生医療の仕組みについて理解できたところで、糖尿病の原因についてもう少し詳しく解説しておきます。
糖尿病とは、簡単に言うと「血糖値をコントロールできていない状態」のことであり、体内で血糖値を下げる働きをするホルモンは「インスリン」です。
このインスリンを分泌しているのが「すい臓」であり、厳密には「β細胞」という細胞がすい臓内でインスリンの分泌を行うのですが、糖尿病ではこのβ細胞が壊れてしまいます。
そして、従来の治療法ではβ細胞を修復することは難しく、低下した血糖値コントロール機能を生活習慣の改善や薬物治療で補うのが従来の糖尿病の治療方針でした。
一方、再生医療では、弱ったすい臓で幹細胞が働くことによって機能の改善を図る効果が期待できます。つまり、糖尿病の根本的な原因を改善できる可能性があるのです。
まとめ
糖尿病はもはや治らない病気ではなく治る時代が到来しており、糖尿病治療に悩んでいる人にとって一筋の光明であることは間違いありません。
再生医療の成果は個人差もありますので確実ではありませんが、完治には至らずとも症状の改善につながる可能性は十分に秘めています。
興味を持たれた方は、再生医療による治療も選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。